久しいお血(血)に対する考えと対応

微小循環である細動脉と細静脈をつなぐ毛細血管は人間の全体を束ねると直径50センチ近くになるといわれている。 当然に血管抵抗が大きいゆえ慢性疾患の多くはこの場所で問題を生じてくるため、中国の清の時代の臨床大家の葉天士は「久病入絡」 「久痛入絡」の概念をとき、古典の傷寒論をさらに発展させ、 絡脈(微小血管)の通脈の対応を述べ絡脈瘀阻からの慢性的な痛みや積聚(腫瘍)に化瘀通絡や軟堅通絡や解毒通絡などの対応を行っている。 命門堂では動物生薬を有効に用いて対応する。 (しゃ蟲・水蛭・鬱金・莪朮・三稜・サフラン・竜脳・田七人参)

症状特徴

刺痛で固定で按ずるのを拒み昼軽夜重で皮下に紫斑や、肌膚甲錯あり、肢体は酸麻痛脹で甚だしいければ、痿軟無力。関節腫痛があったり、有形硬結、水腫、鼓脹、腹壁青筋、 皮膚には蜘蛛状鬱血で出血に性状は紫黯。舌下静脈は紫黯で拡大、瘀点瘀斑あり。

脈は細渋或いは結代 基礎材 地シャ虫・水蛭・当帰尾・桃仁・降香

刺脹痛→絡気鬱滯に+竜脳・サフラン・降香・乳香

絡気虧虚→+人参・黄耆  出血→田三七・血余炭 肢体浮腫→沢蘭

硬結→莪朮・三稜 ジャ蟲は味鹹で瘀を逐いやり、積(病邪積滞)を破り、絡を通す、傷を理えるの効能があり、金匱要略では五労虚からの食傷、憂傷、飲傷、房室傷、飢傷、労傷、経絡中の営衛の傷害、体内の乾血の停留のあるものから、肌膚甲錯(栄養失調による皮膚の褐色角質化)、目の周囲の暗色に大黄しゃ虫丸や別甲煎丸で用いられている。 乾血による夜間の痒みで患者は血が出るほど掻き毟り、破血して営気を通気しなければ、身熱盗汗となって、厥陰心包が落ち着かず、睡眠不良として訴える。

鍼灸では瀉血法を用いて血分の伏熱の対応をする場合もある。 アトピー性皮膚炎は日和見的炎症であり、さらにはステロイド軟膏の長期使用からの肌絡の乾血をいかに化瘀通絡するかで治療効果が変わる 肝疾患特に慢性肝炎から肝硬変「肝は血を蔵す」でさらに「女子は先天を肝とする」で 子宮筋腫やチョコレート血腫を呈しやすい子宮内膜症は瘀血をいかに改善するかだが、慢性化したものは血の味である鹹味の動物生薬を用いないと良い効果が出にくい。 ジャ蟲は厥陰肝経に行くので、鬱金と莪朮が加わることで、血腑小腸から肝経の腸肝循環中の膜絡からさらに肝胆系の網絡中の気滞瘀血も通気する。 よって肝硬変などの肝臓の長期的炎症後の繊維化、種種の物質の沈着による血流障害も有効で、ジャ蟲は数回脱皮して成虫になることから、沈着・痂皮・硬結したものを田七人参と組み合わせてより瘀を散らし腫れを消しので、慢性化を経た外傷や整形的な腰痛・四肢痛さらには内膜症による痛経にも期待ができると考えられる。 さらに蛇胆が複合されれば、より胆汁排泄を促し、解毒を含めて、血分中の瘀毒を胆汁から陽明穀道を通じて大便から下泄させ、脾臓の腫れの予防を期待する。水蛭はジャ蟲同様に体環があり、ジャ蟲より多く体環数は107個あり、環帯は顕著であり、悪血・蓄血・瘀血を逐いやる力が強いので妊婦は禁忌である。 体環が多いこと、吸盤があり、吸着することから繋ぐ作用(神経麻痺)が期待される。瘀血の典型の舌診をあげる。

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