胃癌摘出後の体力低下、便秘、下痢が改善した例

※胃癌摘出後の体力低下と食事をすると腹満で便秘と下痢を繰り返す人に
補腎(陽)の生薬を加えてより効果が出た。

「素問水熱穴論」に「腎は胃の関なり、関門利せず、故に水聚まりて其の類に従うなり」 とあり、
腎気が化するときに則ち二陰(大小便の竅)通ずるとあり、腎気化せざるときは則ち二陰閉じて、閉じると胃が上満すると書かれている。 よって腎気がしっかりしていれば胃気の働きがスムーズになるとの教示している。

62歳女性

<主訴>
ガス・腹満・便秘・下痢を繰り返す

<経過>
49歳 胃癌で半分以上胃の摘出。一部リンパ。胆嚢摘出。

<愁訴>
食事するとすぐ腹鳴して嘔気/排便後の腹痛/低血圧で朝が起きにくい/整形では骨密度低く、アクトネル服用

※病院から加味逍遙散エキスが出ていたが調子が良くない。
※大建中湯や補中益気湯なども服用したが、そんなに効果があるように思えない。

<舌診>
舌中央前半からW字裂紋 中央~根が舌肉が裂紋萎縮して脾陰の陰傷
乳頭は小粒退縮 舌縁も鋸状で肝陰虚 苔は少なく、舌中~左側に淡黄残存して湿濁不化
湿痰象からの暫時 半表半裏から裏に入り臓結して傷陰経過をたどった象と考える。

<弁病体質>
気陰両虚 湿濁不化 (脈は虚弦で按而無力)

啓脾湯と平胃散での対応である程度の主訴は改善したが、便通が不安定で
食べてすぐ下痢になったりすることもあり、友達との旅行でのお泊りができないと嘆いていた。

その時に 「腎は胃の関門也」が浮かんだ。
鹿茸の「崩漏帯下、陰疽不斂及久病虚損等症」である。
脾の脂膜が傷んで陰疽の状態で久しく傷口は収斂しないから下痢になるものに鹿茸を用いることと解釈した。

結果はオーライだった。
便通が安定して、排便後の腹痛も無くなり、体重も増えて体力がついてきて、仲良しの友達と韓国旅行に行けるようになったと喜ばれた。その後3回も韓国に行かれている。
旅行中の便秘・下痢腹痛でトイレを探す気持ちの不安もなくなり海外へ行けるようになり喜ばれた。

 

※鹿茸

[主治]

腎虚、頭暈、耳襲、目暗、陽痿、滑精、宫冷不妊、羸瘦、神疲、畏寒、

腰脊冷痛、筋骨痿軟、崩漏帯下、陰疽不斂及久病虚損等症。

※原蚕蛾

「主治」

陽痿遺精,白濁,血淋,金瘡出血,咽喉腫痛,口舌生瘡,痈腫瘡毒,凍瘡,蛇傷。

 

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