↑①の続きです
以上からCOVID19(原因ウィルスのSARZ-Ⅱ)の発症因子は
「同気相求む」から武漢の「じめじめ寒い」気候から
漢方的には「風寒湿」の混合型の邪気の性質が中心と思われる。
寒湿が絡むため邪正闘争からの熱化には時間経過が通常のインフルエンザより時間がかかりやすい性質
(インフルエンザの潜伏期間は1日~3日に対して、コロナウィルスのサーズやマーズも
14日まで潜伏期間が長い報告があるのが特徴である)のではと考えられる。
また寒湿邪の性質を含んでいるせいか、鼻水、胃腸症状、下痢もあり、
湿邪の性質が出る患者は飛沫と接触感染から上咽頭部に粘膜上に邪滞していて、
粘膜膜外組織の少陽三焦経由ルート由来で病邪が外から裏(半表半裏)へのターニングポイントとなり、
邪気と正気が内外で邪正闘争して膠着すると
傷寒論太陽病97条「血弱気盡、腠理開、邪気因入、與正気相搏、結於脇下。正邪分争、往来寒熱、休作有時、嘿嘿不欲飲食。臓腑相連、其痛必下、邪高痛下、故使嘔也。」
で倦怠だるさ症状が膠着状況となる。
当初は発熱は高くなく、熱象舌象はみられずは虚寒対応の小柴胡湯加減が考えられる。
咳嗽がひどい場合は射干麻黄湯《金匱要略》:半夏4.0;麻黄・生姜(乾1.0)・五味子各3.0;射干2.5;細辛・紫苑・款冬花・大棗各2
小柴胡湯(感染中期で発熱は高くない状況で倦怠感が続くからの)
邪の半表半裏から裏への伝入ルートとして
陰影の末梢肺野に始まり、陰影の増多またはすりガラス様陰影へ進行行く過程で、病理組織像としては、間質性浮腫や線維化、細葉への間質液の浸潤、下肺野の無気肺などが想像される。小陥胸湯+清営湯(《温病条弁》:生地黄15;玄参・麦門冬・金銀花各9;丹参・連翹各6;黄連5;竹葉心3;犀角2)
エキスでは竹筎温胆湯+柴胡清肝湯(一貫堂)あたりか。
老年に重症化致死率が高いことから、老年は陰虚脱水体質が多いので注意。
傷寒はもっとも化燥した環境の冬のインフルエンザが中心で
傷寒太陽証は張仲景は辛温薬中に佐薬に甘潤(大棗・甘草)を用いてその化燥を防いでいる。
また正傷寒証の冬季インフルエンザは風寒化燥による皮腠の凝集性が強いので、体痛(強痛・悪寒)や頭痛を訴えるケースが強く、冬の化燥は化熱しやすい(異常乾燥から火が生じやすい、温燥も同様)ので高熱になりやすい特徴があると思われる。
どうもCOVID19 が関節痛や身体痛を訴えるケースが少ないように思う。
また
COVID19が子供に重症化しないは基礎代謝が良いので体温が高い傾向があるためか。
感染は受けても、無症状かあるいは軽い初期症状で終わるケースが多い?
北海道で少し感染流行に兆しがあるのは、気温が低いことによる。
③に続く