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新型コロナウイルスの漢方的臨床想定分析③(前田)

新型コロナウィルスの漢方的臨床想定分析②(前田)

↑②の続きです

コロナウイルスの潜伏期間がインフルエンザの3日間潜伏に対して12~14日間と長く続くのと、
倦怠感だるさを訴える特徴から、
①湿邪の重着の性質をそなえているため
②倦怠感だるさの特徴は半表半裏の位置

ウイルス(邪)からすると皮腠表位から内虚に乗じて裏の肺臓への陥入(邪の聚るところ正気虚す)を狙っている時期でもあり、
傷寒六経の少陽病機にあたるのかどうか。
また検査陽性から陰性回復した患者が再び陽性になることを考えると、
解熱した後の回復期でも伏邪が半表半裏の少陽位置に残存することを考え、
小柴胡湯などの益気和法を継続服用させることが必要と思う。

※太陽病96条「傷寒五六日中風、往来寒熱、胸脇苦満、黙々不欲飲食、心煩喜嘔~、或不渇、身有微熱、或咳者、小柴胡湯主之」

少陽病位は半表半裏の横隔膜や胸膜や肋膜や縦隔に連動する膜間の組織間隙の膜原を位置であり、
咽喉粘膜や目の膜の飛沫・接触感染からの邪の侵入ルートとなる。
肺炎を起こすかどうかは邪気の量と裏の正気の虚との邪正相争による結果となる。

傷寒正証の小柴胡湯は人参・生姜・大棗・甘草で邪が裏虚内陷しないように、
益気して少陽生発の気を助けて営衛をととのえて、
上焦得通させて(肺へ内陷しないように上位の表へ邪を追いやりで)
濈然(じわっと)汗が出て熱が下がることも考えられる。

 

④に続く