40代女性
<主訴>
子宮筋腫手術後の閉経とそれに伴う火照りと発汗異常
<経過>
子宮筋腫の服薬治療開始
術後自然な生理がなく、術後の貧血は治ったが火照り発汗が続く
<既往歴>
◆手術後は貧血は改善も基礎体温が上がらず排卵せず生理がない
◆ホルモン剤で生理ありホルモンバランスからか火照りとのぼせ
◆冷え性とともに異常に汗をかくことが多かったが年々酷くなっている
◆少しの動きや緊張や電車で立っていると汗が目に入るぐらいかく
<生理環境>
生理血が淡紅で薄い
生理血は少ない
筋腫手術前に薬で生理を止めた
生理前腹痛と腰痛(右坐骨神経に沿って)
白色帯下で量が多い
<愁訴>
湿度が高いと悪化/四肢がおもだるい/疲れやすい/冷房を嫌う/明け方に目が覚める/朝が起きにくい/目が疲れやすい/ 下痢軟便傾向/肩こり/足腰がだるい/不安になりやすい/皮膚が乾燥/身体がかゆくなる/吹き出物が出る/口唇周囲吹き出物 /目の上の痒み
<原穴>
三陰交 陰陵泉 太衝
<腹診>
軽度心下痞 中脘~水分圧痛 肓兪抵抗 右少腹抵抗
<脈診>
右細滑やや弦 左細滑 尺弱
<舌診>
<舌象>
淡紫中央凹形縁瘀点 白滑苔根一部膩苔
<舌象分析>
舌は淡紫で舌尖~縁瘀点突出があり、寒凝血瘀が久しい状況あり
舌形が中央がV字で舌を緩めると中央が凹で窪みあり
<弁証>
神闕穴中心に水分・肓兪・陰交穴と抵抗圧痛があり、積血動悸して流注上の衝脉・任脈の血気上逆しやすくなり、
生理閉経とのぼせ発汗が連動している状況となる。
舌裏怒張も重度で絡脉が赤く鬱血して脈は細滑で気血両虚、渋脈はまだみられず、
血中相火(營氣)はまだ萎えていない
舌前乳頭は突出しているため、血逆するとのぼせて発汗を伴う
同時に衝脉上の口唇周囲にやや赤みあり
吹き出物があり、相談においても多言傾向。
衝脉血結 虚火上衝の 閉経と上気発汗
<治法>
衝任通脈 降火 二仙湯合鳥梅丸(標治)芎帰調血飲第一加減(本治)