【創業33年漢方専門薬局】不妊症や様々な病気を東洋医学的観点から根本的解決へと導きます

女性の不調①

  久しぶりの投稿になってしまいました。 今日は女性の不調をメインにお話したいと思います。 ホルモンバランスの乱れから体調の不調を感じる女性は多いのではないのでしょうか? PMSにはじまり、生理不順、不妊症、更年期症状など一生を通して付き合っていかなければならず、 振り回されず付き合っていくために自分の身体を知る事はとても大事です。 意外と女性の方でも生理周期であったり、どんなホルモンがどういう時に出ているのか? きちんと理解されている方は少ないように思います。 皆さんはどうですか? 女性の身体の仕組みを西洋医学だけではなく 東洋医学も交えながらお伝えしていきたいと思います。   中医学のバイブルといえる『黄帝内経』では 「女子は七歳になると腎気が盛んになり、歯が生え揃い、髪は長くなる。 十四歳になると天癸が至り、任脈が通じ、太衝の脈が盛んになり、月経が来るようになる。故に子供を産める。 二十一歳になると腎気が平均になり、故に智歯が成長して身長も伸びきる。 二十八歳になると筋骨がしっかりして、髪の長さもきわまり、身体が強壮になる。 三十五歳になると陽明経の脈が衰え、顔面部がさらにやつれはじめ、髪が抜け始める。 四十二歳になると三つの陽経脈が衰え、顔面部がさらにやつれ、髪も白くなりはじめる。 四十九歳になると任脈は空虚になり、太衝の脈も衰え、天癸はつきて月経が停止する こうあります。 女性は7の倍数」の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れるという記述です。 現代の女性は成長、発育が早くなっているので多少のズレはありますが、 このような体の変化、思い当たるフシはないでしょうか? そこには腎気からみた体の年齢変化として女性は7~49歳までと 7年周期で表したライフサイクルが記されています。 腎気とは現代の腎臓の事ではなく、成長、発育、生殖に関わるエネルギーの事で、 これ、体の衰えやホルモンバランスと深く関係している事がわかりますよね。 この「腎気」が盛んであれば体の成長も順調であるし、ホルモンの分泌も盛んです。 最近の相談で増えてきている不妊症や更年期障害もここをいかに衰えさせずキープするか、 というところがポイントになってきます。 女性の相談内容は生理不順、生理痛、冷え性、不妊症、更年期障害、貧血、頭痛、めまい、自律神経失調症、ニキビ、アトピー性皮膚炎、ダイエット、便秘、多岐にわたります。 晩婚化や食生活の乱れ、ストレスの多い社会、環境の悪化などさまざまな原因が考えられますが、 そこからホルモンバランスを崩して、、、という症状も少なくありません。 まずは生理周期とホルモンを考えて行きましょう。 女性の体は生理周期(生理期、低温期、排卵期、高温期)によってホルモンの分泌が異なり、体調も変わってきます。 ということはここに注目していきながら生理周期に合わせて 漢方薬を使い分けるという方法も効果的と言えますよね。 これは皆様ご存知だと思いますが生理はだいたい1ヶ月ごとに起こり、 限られた日数で自然に止まる子宮からの出血です。 思春期になり卵巣の機能が充実すると定期的に卵子が成熟し排出されるようになります。 これを排卵といいます。 排卵が起きると受精卵が着床しやすいように子宮の内膜は厚くなり、妊娠に備えるようになっています。 ところが妊娠に至らなかった場合には、厚くなっていた子宮の内膜は剥がれ落ちて排出されます。 これが生理のおこるしくみです。 こうして卵巣の機能が衰える更年期まで、妊娠しない限り繰り返しおこるのです。 そして女性の体は、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」 というふたつの女性ホルモンによってコントロールされています。 これらのホルモンによって上記の生理のサイクルを一定にしているのです。

●エストロゲン(生理終了後から排卵期に分泌量が増えます)

受精卵の着床に備えて子宮内膜を増殖させたり、 精子が子宮の中に入りやすくするために、 排卵前に子宮頸管の分泌物を増やしたりします。また、肌や髪を美しくしたり、乳房を発達させたり、 丸みを帯びた女性らしい体つきをつくったりする作用もあり、「女性らしさをつくるホルモン」といわれています。

●プロゲステロン(排卵して次の生理が始まるまでの間に分泌量が増えます)

受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整えて妊娠の成立を助けたり、 妊娠成立後は、赤ちゃんが育ちやすいように子宮の環境を維持したりするので、「妊娠のホルモン」といわれています。   皆さまも周知の通りだと思いますが、この世には ・朝があれば夜がある ・表があれば裏がある ・男がいれば女がいる など、万物にはそれぞれ相反するものが存在します。 陰陽論という考え方では万物を陰と陽に分けて考えます。 陽は活動的なエネルギーで陰は安静的なエネルギー、 このように万物は互いにバランスを保っているのです。 陰陽論でいうと低温期(エストロゲン)は陰、高温期(プロゲステロン)は陽と考えられて、 低温期は陰が盛んな時期、高温期は陽が盛んな時期になるので、低温期には陰を養うもの。 高温期には陽明を養うもの、また、そのバランスも重要です。 それから生理期と排卵期は陰と陽が転換する時期として理気薬や活血薬を使うことで転換をスムーズに出来ると考えられます。 薬剤師 堀越歩美