黄耆の一考

黄耆は補中益気湯や十全大補湯、黄耆建中湯、黄耆桂枝五物湯などに用いられます。 当薬局でも虚労病を中心に一番多く使う薬草です。

【黄耆】気微温。味。無毒。「主癰疸久敗瘡。排膿止痛。大風癩疾。五痔鼠瘻。補虚。小兒百病。酒炒醋炒蜜炙白水炒」 黄耆氣微温。稟天春升少陽之氣。入足少陽胆經。手少陽三焦經。味甘無毒。稟地和平之土味。入足太陰脾經。氣味倶升。陽也。

・黄耆の色は黄色で味は甘い、土の色味なり。

・黄耆は非常に土深く根ざし、土気の厚みを得て、大いに脾を補う。今人は身中綱膜は三焦を知らず。綱膜上の膏油を知らず。是は脾の物、膜と油と相連なるを知らず。黄耆は脾土を補い、三焦の理に達する。綱膜これ三焦をよく知る。膏油は脾土に属す。

・則ち黄耆は脾経に帰し、三焦の理に達するを知る。<唐宗海 本草問答>  臨床上では気虚による気耗すると血中の営気不足で 大気下陥の脈はたいてい緩脉か遅脈がみられることが多い。「参西録」では大気下陥で衛気を吸摂できない。黄耆は胸中の大気(宗気、肺葉開閉の原動力)下陥を治す。発表薬と同用すると外風を除去、養陰清熱薬と同用すると内風を 熄める。と書かれています 。

黄耆は其の体は極めて鬆で内に水気孔道が大で根が長く、数尺になり、土(脾)中に深く入り、水を引くは気を引く。根中の虚鬆竅大は水気を極めて多く引く。故に気盛んで補気する。また黄耆は三焦油膜の中薬で気海より托裏達表し上行外通する。と考えられる。三焦相火(水中の陽)は少陽で半表半裏で中通するのが黄耆と考えられる。

黄耆の托裏達表・上行外通・半表半裏の中通から、三焦は大小聚散し出入貫布する組織構造を包括し、中空器官で膜状組織によって連結して、各臓腑に粘着して包み込み、臓腑の間隙と分肉の間に出入し、臓腑の物質輸送と機能調節における主要な通路であり、さらに油膜により津液還流や温かい、流れる気および火のエネルギーを適度に流失しないように保護しているが、この空間通路を肥やしていくのが黄耆の重要な働きと思われる。

命門堂 前田

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