漢方の古典医書に、夢で体の調子を読み解くという方法があります。
肺気が虚すと…
夢によく白い物体が出てくる。人が斬られ血が飛び散る場面、乱暴で乱雑な場面をよくみる。
秋にはさらに過激になり戦争の夢を見る。
肺気が盛んになると、夢の中でよく泣き悲しむ。
腎気が虚すと…
水に関係した場面がでてくる。水中に落ちる場面や溺れた人の夢を見る。
冬になると水の場面がさらに過激になり、水の中に沈んだり、何かに恐れる夢をみる。
腎気が盛んになると、腰と背が離れる夢を見る。
肝気が虚すと…
草や木を見るなど、比較的のんびりした夢を見る。
春になると、樹木の下に横になり、起きようとしても起きれない夢をみる。(のんびり度が増した夢をみる)
肝気が盛んになると、夢の中でよく怒る。
心気が虚すと…
太陽や雷など、光や炎に関する場面がでてくる。
夏になると、火が燃え盛っている夢や大やけどの夢をみる。
心気が盛んだと、夢の中でよく笑う。或いは恐れる。
脾気が虚すと…
いくら食べても空腹だという夢をみる
土用に脾が虚すと、家屋を増築する、などおかしな夢をみる。
脾気が盛んなときは、夢の中でよく歌い楽しむ。また、身体が重くなる。
これらは五臓の気の不調からくるものです。経脈の陰陽の気を調整しなければなりません。
人体の陰気が虚すと、天の陽気を受け入れられない。陽気が盛んになると、地気をいくら受け入れても不足する。
健康とは陰気と陽気の調和がとれた状態です。
陽気は熱気、活動力です。上半身や陽経、腑に多くあります。頭痛、肩凝り、歯、目鼻、耳の病気、食欲、大小便の変化、関節や筋肉の痛みなど。
これらはすべて陽経の変化、つまり陽気の変調により生じます。
この陽気の変化が不足なのか有余なのか。陽有余なら陰不足、上不足なら下有余。このように相対的に考えます。
ピンとくる夢の内容ではないかもしれません。
でも、色や水、のどかな雰囲気、光や炎、空腹など、象徴的なものが一致している夢を見ることはありませんか。もちろん、夢のお話だけで判断することはできません。
しかし、「何故あんな夢を見たのかな?」「しんどい夢だったな…」「同じような夢を繰り返し見ているな…」という経験は少なからずあるのではないでしょうか?
ご自身の体調と感情の動きに耳を傾けてみてください。
薬剤師 林あかね